日本コヴィディエン株式会社 様
医療系施設情報をマスタとして活用、クラウド型コールセンターサービスとのセット導入で対応履歴管理デジタル化への移行を短期間で実現
日本コヴィディエン株式会社様(以下、日本コヴィディエン様)の営業企画室 フィールドサポート課ではより充実したお客様へのサポート業務を行うために、バーチャレクス・コンサルティング(以下、弊社)の顧客対応業務支援ソフトウェア「inspirX Communication (インスピーリ コミュニケーション)」を導入された。短期間で効率的なシステム構築を希望されたため、大規模向けの高額なPBXは利用せず、クラウド型コールセンターサービスである「keepa(キーパ)」とのセットで導入。カスタマーサポートで蓄積されるコンタクト履歴管理のデジタル化への移行を短期間で実現された。
導入企業 会社概要
会社名:日本コヴィディエン株式会社
設立:1973年2月 日本シャーウッド(旧社名)
本社:東京都世田谷区
業種:医療機器製造・販売
グローバルヘルスケアカンパニーであるコヴィディエンは、革新的なヘルスケアソリューションを創造し、様々な医療分野で貢献すべく事業を展開、医療機器、メディカルサプライのセグメントで業界をリードする製品ラインアップをそろえ、世界70か国以上に社員38,000名を有し、140か国以上に50,000種類以上もの製品を販売している。日本コヴィディエン様はコヴィディエン グループ ジャパンに属し、シングルユース医療機器を中心とした高品質な医療機器の研究開発、製造、そして安全で快適な医療を創造する高付加価値サービスを提供している。
特に医療用カテーテルの品質には定評があり、これらの製品をより安全に使っていただくため、全国をカバーするきめ細かなサポート体制を整備し、医療現場に日々貢献している。
導入サービス・製品 | 顧客対応業務支援 inspirX Communication (インスピーリ コミュニケーション) |
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導入規模 | 50ユーザー以下 |
適用業務 | カスタマーサポート業務 |
導入前の課題 |
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導入後の成果 |
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導入背景と狙い
スモールスタートでの導入、顧客対応履歴の蓄積・活用への取り組み
以前は、日本コヴィディエン全体としてひとつの顧客対応窓口があったが、スタッフの対応スキルの高低に関わらず、資料請求などの簡単な業務から、医療器具の使用法などの技術的なお問い合わせといった専門知識が必要な事柄まで、業務の幅が多岐に渡り、煩雑になっているという課題があった。
その後、スタッフの有効活用や、業務の効率化を考え、簡易的なお問い合わせと、営業サポート的なある程度の専門知識を要求されるお問い合わせを分け、日本コヴィディエン様の中でトライアル的にコールセンター化した。
当時、グループ内では別件で様々なシステム投資を検討中であり、また本件に関してはトライアル的にスモールスタートで開始したいというご希望があったため、短期間で比較的コストの抑制が可能なクラウド型コールセンターサービス「keepa(キーパ)」と顧客対応履歴を管理・蓄積するための「inspirX Communication (インスピーリ コミュニケーション)」をセットで導入することを決定した。
導入以前はお客様とのやり取りを電話メモとして残し、週に一度エクセルでデータ化するという作業を繰り返されたそうだが、導入後はinspirX Communicationに入力したやり取りが直接データベースに蓄積されていく。その蓄積されたデータを社内で情報共有し、顧客対応の標準化を実現、さらに営業、製品・サービスの開発、改善に活用したいという狙いもあったようである。
導入後の効果について
対応カテゴリや、案件カテゴリを利用して履歴入力することにより、より詳しい顧客分析が可能になり、顧客満足度の向上を実現
inspirX Communicationでは、コンタクト履歴に案件タイトルをつけ、お客様固有の業種・業態にあわせて様々にカテゴリ分けができる。日本コヴィディエン様がinspirX Communicationを導入されたのは1年前のことであるが、当初は慣れない入力と情報の分類にかなり戸惑われたようだ。
業態が複雑だったこともあり、どれを大分類にして、どれを小分類にするかなど、試行錯誤の結果、9つの対応カテゴリ、71の案件カテゴリに分類した。「本当にこのやり方を続けてなんらかの成果がでるのだろうか?」という不安もあったそうである。
それでもinspirX Communication導入後、入力した対応履歴が蓄積されることにより、様々な効果が生まれているとのことだ。
導入から約1年が経過した今、そうした分類をもとにコンタクト内容や、顧客分析をすることにより、業務の効率化や、お客様のニーズを掴むことに活用できつつあり、日本コヴィディエン様のミッションである「お客様によりよいサービスを提供し、顧客満足度を向上させる」ということに道筋が見えてきたとVTS事業部 営業企画室 フィールドサポート課 課長 松林 浩 様は語られる。
さらに、従来型PBXのかわりにinspirX Communicationとセット導入したクラウド型コールセンターサービスの、モニタリングや通話録音等コールセンター特有の機能により、サポートスタッフの対応状況、稼動状況も把握できるという思わぬ付加的な効果もあったとのことだ。例えばモニタリング機能でスタッフの対応をリアルタイムで聞くことにより、問題のフォローアップや、対応のばらつきの修正に素早く対応することが可能であったり、1案件の平均対応時間が一定の時間を越えるものについては、録音機能により残された対話を聞き直し、どのような問題があったかなど詳細を確認できるのが非常に有効とのことだ。
今回のシステム導入によって、例えばクレーム対応など、これまではただ「担当の営業から連絡させます。」で終わっていたものが、お客様の言われていることの背景、製品・サービスの改善点、ひいては医療機関で実際に利用されている医療従事者様や患者様への配慮まで、深堀りして聞き取りできるようになり、「傾聴」というコミュニケーションスキルアップに貢献すると同時に、CRMに対するスタッフ全体の意識が向上し、今後の営業活動や製品開発にも良い影響を与えられるのではと期待している。
システム概要
医療施設情報を予めマスタとして取り込み、短期間で効率的なカスタマーサポートシステムを提供
先述の通り、当初はトライアル的な要素があったため、スモールスタートかつ短期間で効率的なカスタマーサポートに必要なシステム構築を希望された。大規模向けの高額なPBXは利用せず、クラウド型コールセンターサービスである「keepa(キーパ)」とお客様とのやりとりを入力・蓄積できる「inspirX Communication (インスピーリ コミュニケーション)」をセットで導入。
また日本アルトマークの提供するメディカルデータベース(MDB)の施設情報を予めマスタとして取り込み、登録施設から問い合わせがあった場合、既存取引先でなかったとしても、該当施設情報に紐づくような仕組みになっており、入力作業を軽減する工夫をされているのが特徴である。
今後の展望
営業支援との連携、外部テクニカルサポートとの連携が課題
inspirX Communication導入から約1年が経過し、お客様とのやり取りの履歴は大分蓄積されつつある。現在のところ、蓄積された情報を分析、洞察し、社内全体でどのように活用していくかは、各プロジェクトマネージャーに委ねられており、今後の検討事項のひとつではあるが、専門的に分析することでデータを蓄積してきた効果が今後飛躍的に発揮されるのではないかと松林様は期待を寄せる。
また営業支援システムとの連携や、外部テクニカルサポートとの連携も今後の課題であると事業統括部 セールスプロセスプロジェクト 推進グループ マネージャー 井餘田 恭大 様は語られる。
営業支援システムとの連携では、医療従事者と直接的に対応する営業スタッフの活動履歴や、商談、受発注状況などと、非対面顧客対応窓口であるカスタマーサポートからの情報をマージし、全社的にひとつの取引先で、いつ、どのようなことが起こっているのかきちんと把握したいという狙いがある。
そして製品の修理などを担当する外部テクニカルサポートとの連携については、簡易的な質問は極力自社カスタマーサポート内で吸収し、現在履歴蓄積されていない製品修理などの履歴も将来的には把握できるようになることが理想形だ。
いずれにしても、inspirX Communicationを導入したことは、日本コヴィディエン様の今後のCRM戦略の重要なターニングポイントであったと言えそうだ。
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取材にご協力いただいた 事業統括部 セールスプロセスプロジェクト 推進グループ マネージャー 井餘田 恭大 様 (右手前)、VTS事業部 営業企画室 フィールドサポート課 課長 松林 浩 様 (左奥)、カスタマーサポートの皆様 | 個別ブースで熱心に顧客応対にあたられるカスタマーサポートスタッフ |
日本コヴィディエン様におけるinspirX Communicationのご利用イメージ
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